ブログ

過剰歯の抜歯

2016.01.24

寒い~寒い~寒い~
こういう時こそ家の中でブログ書こう!

当院では口腔小手術が毎日のように行われていますが、中でも一番多いのが親知らずの抜歯です。

その他に、ときどき行われるのが、過剰歯の抜歯です。

今日はその過剰歯についてのお話を少し。

過剰歯とは本来いらない歯が余分にできてしまったもので、文献によってまちまちですが約3~5%の人にあるといわれています。ですから、日常の診療で結構、遭遇します。

よほど深い位置に埋まっていて永久歯の歯並びに悪さをしないようであれば、抜かずに経過観察する場合もありますが、多くは、永久歯の歯並びに影響を与えたり、歯列矯正の歯の移動を妨げたりします。
よって
私の考えでは基本、永久歯に影響を与える前に抜きます。
ただし、まだ完成されてない永久歯の歯根を傷つけないように抜かなければなりません。
永久歯根尖を傷つけそうな場合には経過をみながら抜くこととなります。

〈症例1〉上顎正中
ふつうの単純撮影
永久歯と過剰歯が重なってみえます。

そこで、CT撮影をすると過剰歯と大切な永久歯との位置関係がよくわかります。

CT水平断画像
大切な永久歯の内側(口蓋側)に過剰歯があるのがわかります。

CT矢状断画像
過剰歯が順行性(永久歯と同じ萌出方向)であることがわかります。

3DCT画像
過剰歯によって永久歯が唇側に転位しているのがわかります。

この症例は10分ほどの比較的簡単な抜歯でした。

このように、精密検査をして、過剰歯の位置を把握してから永久歯に負担をかけないように過剰歯を抜くのです。


〈症例2〉上顎正中
矢印のところに過剰歯。実はもう一つ隠れています。

ここあやしいですね。
CT撮ればよくわかります。

CT水平断画像
やっぱり過剰歯二つあった!


しかも、片方は逆行性(永久歯の萌出方向と逆向き:真ん中写真)、つまり歯冠が鼻の方向に。

このように深い位置の逆行性の過剰歯や過剰歯が二つある場合には20~30分の手術時間を
要します。


〈症例3〉下顎小臼歯部
下顎4番5番の舌側に過剰歯あり

術後写真:過剰歯抜歯したところは骨ができてきます。

萌出している過剰歯であれば簡単な抜歯ですみますが、本症例1~3のように歯肉を剥離し、骨を削除して抜歯し、歯肉を縫合するケースも多々あります。

局所麻酔で十分対応可能な手術ではありますが、恐怖心の強いお子様には全身麻酔下での手術をおすすめする場合もございます。その際には連携病院口腔外科へ紹介させていただきます。

お子様が過剰歯を指摘され心配な親御様には是非、CT検査(保険適応)等精密検査をうけられることをおすすめします。


寒くなると風邪をひきやすくなります。
インフルエンザの話もちらほら聞くようになりました。
みなさんご自愛くださいませ。







Page top

Copyright (C) 2008 suzuki dental clinic co.,ltd.Allrights reserved.